タイトル | ABYSS SEEKER 深淵ノ果テニ何ヲ視ルカ |
プレイした機種 | PC Steam |
メーカー | SUCCESS Corp. |
満足度 | A(満足。たいていの場合お勧めできる。) |
要点 |
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執筆日 | 2024年12月13日 |
はじめに
Steamにて記事執筆時点で実装済みの実績コンプまでプレイ。
サクセス開発のサバイバーシューターゲームで、同社の『HEAVEN SEEKER コノ残酷ナ世界ノ救イ方(以下、本編)』のスピンオフ作品となる。
- 公式のジャンル名称はツインスティック・サバイバーシューター。
- 記事執筆時点で筆者は本編未プレイ。
大量の敵が四方八方から迫りくる中で、キャラクターを自由に操作して制限時間まで生き残り、最後に登場するボスを倒せばステージクリアという、所謂ヴァンサバ系のシューターゲームとなっている。
基本システム
- 上記した通り、見下ろし型のマップにて四方八方から大量の敵が迫りくるサバイバー系シューティング。
- 一般的なヴァンサバライクと比較して、シューティング色の濃いシステムになっているのが特徴。
- グラフィックはレトロ調ピクセルアート。
- 体力はHP制ではなくライフ制。敵の攻撃に当たるとハートが1つ減る。
- ドッジ(瞬間的な無敵回避)も可能。
- 攻撃手段は持ち込み制のグリモア(魔法)と、ボムとアビススキル。
- グリモアはステージ開始前に初期4種類の中から選択する。
- 初期4種類以外のグリモアは敵を倒すと入手できるクレジットを消費してショップで購入することで解禁される。
- 威力が高いが射程が短いもの、連射できるが威力が低いもの、敵弾を防げるものなど様々。
- グリモアでの攻撃はスティックで狙いをつけてボタンで発射。
- ヴァンサバライクは自動攻撃のゲームが多い中で、本作の攻撃はすべて手動操作で行う。
- キャラの移動を左スティック、攻撃の照準を右スティックで操作するということで、文字通りツインスティックシューティングとサバイバー系ゲームを融合したゲーム性になっている。
- グリモアでの攻撃時はマナを消費する。マナは高速で自動回復する。
- ボムは回数制で周囲の敵に攻撃し、敵弾を消し去ることが出来る。
- アビススキルはゲージ制、時間が停止し周囲の敵に大ダメージ。
サイドブック
- 持ち込んだグリモアは、サイドブックと呼ばれる付加スキルで強化可能。
- キャラクターのレベルアップ時にランダムなサイドブックが排出され、その中から1つを選択してグリモアに装備する。
- サイドブックの装備可能数は後述するアーティファクトやスキルで増設可。
- 威力や連射力、射程といった基礎能力を強化するものや、1度に射出される弾数を増やすもの、壁に当たると跳ね返るようになる等特殊な能力を付与するものなど様々。
- グリモア同様、初期から解禁されているもの以外はショップで購入後に排出されるようになる。
アーティファクト
- レベルアップ時には、サイドブックの他にアーティファクトと呼ばれるアイテムが排出される場合もある。
- サイドブックとは別枠での自キャラ強化要素となっており、サイドブックの装備可能数を無視して所持できる。
- こちらもグリモアの威力や連射力を強化したり、ライフアップや移動速度アップといった自キャラの基礎能力強化など様々な効果を持つ。
- こちらも初期解禁のもの以外はショップで購入後に排出。
スキル
- グリモア同様、事前にセットして持ち込む形式のパッシブスキルが存在。
- ライフのハートの数を増やしたりサイドブックの装備可能数を増やしたりと、これも様々なものが用意されている。
- こちらはコスト制。各スキルごとに消費量が決まっており、上限の中でいくつでも装備可能。
- スキルはすべてショップで購入後、装備できるようになる。
拠点
- ステージ挑戦前には拠点にてグリモアやスキルの装備、ショップでの買い物等を行う。
- それ以外にスタッフロールの閲覧と、意味深なキャラクターが1名存在。
- 意味深なキャラクターは記事執筆時点で特に意味なし。アップデートで追加か。
シナリオや世界観
- 記事執筆時点ではシナリオらしいシナリオは無し。
- 上記した拠点の意味深なキャラに何か追加されてシナリオ展開がされる可能性はある。
- 本編とは世界観を共有しているが、シナリオらしいシナリオは無いため本編を知らなくても全く問題はない。
良かった点
シューティングの要素を上手くサバイバーゲームに落とし込んだ独自のゲーム性。
- 自分で照準を操作して攻撃するアクション性が楽しく、サバイバーゲームでありながら他のヴァンサバライクとはまったく異なるプレイ感を演出している。
- ボム(敵の弾消し)やドッジ(緊急回避)まであるのが実にシューティングらしい。
- 持ち込んだ1つの武器(グリモア)を徹底的に強化していく点も、従来のヴァンサバライクとの大きな違い。
- 装備の持ち込み制は他作品にもみられるが、1ウエポン制は珍しい。
- サイドブックによる強化はグリモアによって有効度が異なり、連射性を伸ばした方が強くなるもの、マナ消費をカバーしたほうが良いものなど個性がある。
- ボス戦は弾幕シューティングさながら敵弾の雨が降り注ぐ。
- 以前紹介した『Struggle F.O』ではボス戦の弾幕シューティングを不満点としたが、本作はゲーム性がシューティング寄りになっているため違和感なく楽しめる。
- 初見殺しのような攻撃もなく、どの弾幕も初見で十分看破可能。それでいて簡単すぎることも無くバランス良好。
- ドッジやボムの存在も弾幕シューティングを違和感なく楽しめる要因か。
運要素が少なく、爽快感抜群の強化要素。
- 持ち込んだ1ウエポンをサイドブックとアーティファクトでひたすら強化していく仕様上、ローグライト系としては戦力の安定感がある。
- 装備枠や総数に対して抽選回数が多めで、なおかつ不要なサイドブックを消すことも自由にできるため、運が戦力に与える影響が非常に小さい。
- 目当ての武器や強化が排出されずに妥協ビルドで戦うということがほぼ無く、毎プレイ理想のビルドを組める。
- どのグリモアも理想ビルドを組めば大抵画面端まで自キャラの弾幕で埋め尽くすことが出来る。爽快感抜群。
- これらは短所でもある。後述。
ピクセルフォントと通常フォントを切り替え可能。
- ピクセルフォントのほうが趣はあるものの、画面解像度の関係で見辛いケースが多いため切り替え可能はありがたい。
- 筆者的にこの機能の有無はそのまま開発のユーザー目線の有無に直結していると考えている。
不満点
シューティング色の濃いゲーム性が面倒に感じる場合もある。
- 武器毎に決まった範囲の自動攻撃はサバイバー系ゲームの大きな特徴でもあるため、この点が変更されているのは人によっては違和感が大きい。
- 本作の面白さのキモではあるが、サバイバー系としてはやや人を選ぶ可能性がある。
- 左右ともスティックをグリグリとひっきりなしに操作することになるため、楽しいと同時に忙しさを感じることも。
- 照準操作だけでなく、攻撃そのものも攻撃ボタンを押さないといけないため、そちらも忙しさの演出に一役買っている。
- 強化内容にもよるが多くの武器は押しっぱなしで良いバランスになっている。が、それはそれで指が疲れる。
- サバイバー系・ローグライト系の繰り返しの遊び方と、疲れる操作性がやや噛み合っていない感がある。
運要素が少なすぎて繰り返しのプレイで作業感を感じやすい。
- 運要素が少ないのは良い点でもあるが、意識しないと毎回同じビルドになってしまうため飽きが早い。
- 同じ強化でもグリモアが変わればプレイ感は変わるため、とりあえずグリモアの種類分は楽しめると言えるし、価格を考えればそれでも十分以上とも言える。
- ビルドによっては残り時間を半分近く残して完成し、その後のプレイが作業になってしまうことも。
その他。
- マントの幽霊のような敵キャラが目の前にいきなりテレポート移動してくる。
- 接触ダメージを食らいやすく、やや理不尽気味。
- マントの敵が出現する期間は移動しないことで接触を避けることが出来るが……。
- 移動せずにマントの敵+αの敵を安定して処理できるビルドはある程度限られている。
- そもそも、レベルアップの為に敵の落とした経験値アイテムを拾いに行かなければならないシステムが、移動を制限する敵の存在と相性が悪い。
- ショップの価格が高すぎる。
- ワンプレイで獲得できるクレジットに対して価格が高く、すべて購入するためにはかなりの周回数が必要。
まとめ
サバイバー系ゲームにシューティングの操作性を上手く融合し、安価ながら独自の面白さを提供してくれる良作。
操作の忙しさによる楽しさと繰り返し遊ぶヴァンサバライクとしては少々疲れるプレイ感、運要素が少なく理想のビルドで大量の敵を吹き飛ばす爽快感と作業感、これらがそれぞれ表裏一体のような関係になっており、感じ方によっては楽しさが弱くなってしまう可能性もあるが、値段を考えれば十分以上の満足感だった。
一味違うヴァンサバライクを遊んでみたい方は、安いのでぜひ手に取ってみてもらいたい。筆者は本作のプレイを通して、本編も遊んでみたいと感じた程度には楽しめた。
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