【Steam】嵐と山の彼方 感想

嵐と山の彼方 タイトル画面 Steam
タイトル 嵐と山の彼方
プレイした機種 PC Steam
メーカー Universe Studio/2P Games
満足度 C(満足できなかったが不満は小さい。)
要点
  • 抜群の雰囲気
  • ユーザーフレンドリーなリトライ機能
  • ローカライズが酷すぎてすべて台無し
執筆日 2024年4月1日

 

はじめに

嵐と山の彼方 タイトル画面

Steam版を全分岐コンプまでプレイ。有名な都市伝説『きさらぎ駅』をベースに作られたホラー&サスペンス・アドベンチャーゲーム。探偵業を営みつつ、5年前に行方不明になった恋人を巡る様々な事件に巻き込まれていく。基本的には横スクロールの探索・謎解きゲームになっており、怪しいところを調べ、アイテムを手に入れ、仕掛けを解き、時に不気味な存在から逃げながら、物語の真相に迫っていくという流れで進んでいく。

 

良かった点

良かった点としてはまずはゲーム全体を通した抜群の雰囲気づくりだろう。『きさらぎ駅』をベースにした物語、ホラー演出、BGMによって表現された独特な不気味さは全編に渡って丁寧に描かれており、特に敵から逃げる際に見つからないように息を止める仕様は緊張感があって良かった。BGMも数は少ないながらも雰囲気によく合っており好感触。ただし後述する問題点のせいですべて台無しになっている。

ホラー演出に関してはホラー苦手な筆者でも夜中に通しでプレイできる程度のもので、個人的にはこの点は高評価。人によっては物足りないかもしれない。

選択肢やギミックに即死トラップが多く、この即死トラップにあえて引っかかることでエンディング分岐が埋まっていく仕様になっているが、容易にやり直せる上どこを見逃しているかも一目でわかるようになっているためコンプの難易度は低め。この点は親切設計と捉えることもできるし、緊張感がないと捉えることもできる。

シナリオに関しては大筋の流れは面白かったが最後の展開がかなり弱かったのと、後述の問題点から非常に低く評価をしている。

 

不満点

不満点としてまず挙げられるのが絶望的なまでの低品質ローカライズ。日本語として完全に崩壊した文章な上、2~3メッセージに1回くらいのペースで誤字脱字があり、同じことを2回言ったり、さらにはキャラの一人称や呼名もメチャクチャ、おばあさんのことを『おっさん』と言ったり、男キャラが急に私だの『~だわ』だの言い始め、さらには敵対している状態の間柄で唐突に『どういうことなんだが!?』『教えると思うんだが!?』などと示し合わせたかのように田舎弁で会話し始めるためせっかくの雰囲気が台無しだ。シナリオ主体のゲームかつ全編通してシリアスなシナリオのため、余計にひどく感じる。一部の謎解きのヒントも日本語崩壊してしまっており、このせいで実際の難易度よりも体感難易度が高くなっているように感じる。

他にも難点はあるが、正直に言ってこのローカライズ問題がひどすぎてほかの問題点がどうでもよくなってくるレベル。

一応ほかの問題点も書いておくと、全体的なゲームテンポがやや悪い。主人公は走って移動できるのだが、シナリオの展開で別のキャラを操作する時は走ることができない。そこまで広いマップではないとはいえ、謎解きのためにウロウロすることになるためかなり気になる。また、主人公に関しても上記した『ローカライズがヒドイせいで謎解きのヒントがよくわからない』状態のせいでウロウロすることになり、走れてもイライラが大きい場面が散見される。

もう1つ問題点として、登場人物のデータを見られる人物図鑑があり、シナリオの進行状況に合わせて内容が追加されていく仕様になっているのだが、フラグ管理をミスっているのか内容がシナリオの展開より早く追加されネタバレを食らう場合がある。

キャラのイラストが全体的にAIっぽいのも人によっては気になるかもしれない。また、いくら5年も恋人を探しているとはいえ、恋人と同じ涙黒子がある女性に会うたびに『彼女に似ている!』と言い始める主人公にややうんざりした。一応設定上は主人公がこう感じることには理由があるのだが、それが示されるのはかなり後半なので長い間主人公のことをちょっと引いて見てしまい感情移入しにくい。まぁこれがなくともローカライズのせいで感情移入は厳しいが。

 

まとめ

ゲームとしては決して悪くない出来というか、ローカライズの問題さえなければいい作品と言えるレベルだが、ローカライズがすべてを台無しにしている非常にもったいないゲーム。ローカライズさえまともになれば価格のわりにかなり楽しめる作品と言えるため、崩壊した日本語が気にならない方に、あるいはローカライズが修正されればお勧めしたい。…というか、ほんとあらゆる海外ゲームはもう少しローカライズに力を入れてください、ホントに。

 

 

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