タイトル | ちいかわぽけっと |
プレイした機種 | iOS iPhone13/iPad mini6 |
メーカー | アプリボット |
満足度 | C(満足できなかったが不満は小さい。) |
要点 |
|
執筆日 | 2025年5月17日 |
はじめに
iOSにてちょいむず3までプレイ。
人気漫画(アニメ)『ちいかわ』を原作としたスマホゲームで、ジャンルとしては所謂放置ゲームに分類される作品。討伐へ出て「危ないヤツ」を倒したり、草むしりや料理をしたり、ホーム画面を装飾してちいかわたちを眺めたりといった遊びが用意されている。
討伐
- メインとなる要素。ちいかわたちが「危ないヤツ」と戦うモード。
- 戦闘は自動で行われる(スキルのみ手動使用も可能)。
- アプリの起動中は他の画面にいても常に自動で討伐が行われている。
- バックグラウンドでは進行しない。
- パーティは6人+おたすけキャラ6枠。
- 討伐ステージは「むちゃかんたん」からはじまり、「かんたん」→「ちょいかんたん」→「ふつう」と進んでいく。
- 「ふつう1」「ふつう2」と分かれていることも。
- 各ステージ内でさらに1-1~10-10までの段階が存在する。
- 各段階ごとに雑魚敵4戦+ボス1戦の構成で敵が登場。
- 各○-5と○-10の5戦目は強いボスが登場する。
- おやつを食べて能力強化。
- 一定時間コイン獲得率、こうげき、たいりょくの3項目それぞれを強化できる。
- おやつを食べるには広告の視聴が必要。
- 討伐の進行度に応じて、リアル時間経過で「討伐報酬コイン」を獲得できる。
- 討伐報酬コインは後述する育成で使用。
スペシャル討伐
- 1日の挑戦回数に制限がある特殊な討伐。
- 「虫の討伐」「ゾウの討伐」の2種類が用意されている。
- 虫の討伐ではガチャ等で使用する宝石が、ゾウの討伐では討伐報酬コインが貰える。
- 虫の討伐は通常の討伐と同じく雑魚4+ボス1構成、ゾウの討伐はボスのみ登場。
- それぞれレベル制になっており、1から始まりクリアするごとに最大200まで上昇していく。
- レベルが上がれば獲得できる報酬も増えていく。
育成
- 討伐で獲得した討伐報酬コインを消費して全体のステータスを強化できる。
- 「こうげき」「たいりょく」「かいふく」「きゅうしょ」「きゅうしょダメージ」の5項目。
- アメを使用してちいかわたちのレベルを上げることが出来る。
- キャラ毎(衣装別)に特定のレベルになると固有のパッシブスキルが解放され、対応した全体のステータスが強化される。
- レベル100からは20毎に上限がロックされており、大きいアメを規定数消費して解放できる。
- 「特訓」でステータス強化。
- 「特訓」「むちゃ特訓」の2種類存在し、「特訓シール」「むちゃ特訓シール」を消費して行う。
- シールはちいかわたちのレベルを上げることで入手出来る。「むちゃ特訓シール」に関してはレベル100以上の強化で獲得。
- 装備を強化することで戦力を上昇できる。
- 装備は武器(こうげき)と道具(たいりょく)の2種。
- 強化はダブったものを消費して行う。
- 各装備やパッシブスキルはほとんどが「所持ボーナス」を持っていて、編成していなくても持っているだけでステータスが上昇するようになっている。
おたすけキャラ
- 「鎧さん」「カブトムシ」「パジャマパーティーズ」など、原作に登場した友好的なキャラクターが戦闘中にちいかわたちを助けてくれる。
- 使用できるのは6枠。左にセットしたものから順番に呼び出される。
- 各おたすけキャラにはクールタイムが設定されている。
- 効果は基本的に攻撃するものばかりだが、こうげきアップなどのバフ系も一部存在。
- こちらも装備と同じくダブりを消費して強化できる他、所持ボーナスもあるのでセットしていなくても持っているだけでステータスが強化される。
おしごと
- 草むしりは「げんき」を消費してマス目状に配置された草のパネルを刈っていくミニゲーム。
- パネルにはアイテムが配置されていることもあり、ちいかわたちのレベル上げで使用するアメや、後述する勉強で消費するフエラムネ、ガチャで使う宝石などが入手できる。
- 元気は時間経過で回復する他、パネルに落ちているハートを拾うことでも回復する。
- 「ハチワレのさすまた」「うさぎの討伐棒」を消費してハチワレ・うさぎを呼び出すことも出来る。
- ハチワレは画面表示範囲内の縦1列+最下段は横3マス、うさぎは選択パネルを中心とした縦横5マスの十字+斜め4方向1マスずつのパネルを消してくれる。
- 勉強はフエラムネを消費して永続的なパッシブバフを獲得できる。
- フエラムネだけでなく、それぞれのバフごとに設定されたリアル時間の経過も必要。
- むちゃうまフェスはリアル時間経過で「料理コイン」が獲得できる。
- 料理コインを消費して料理のレベルを強化することで、料理ごとに設定されたステータスの強化が可能。
ホーム
- いわゆるルームと呼ばれるものに相当。
- ホームアイテムを配置することで、ちいかわたちが遊びに来る。
- 宝石などアイテムが落ちていることも。
- ホームアイテムを配置することで、ちいかわたちが遊びに来る。
- ホームアイテムの所持・強化でもちいかわたちのステータスが強化される。
- ホームアイテムの強化にはダブり+ふしぎな枝が必要。
- 配置でステータスが変化することは無いので好きなものを配置できる。
その他
- ガチャは装備(武器・道具ごちゃ混ぜ)とおたすけキャラの2種類。
- 回数がカウントされ、一定回数に達するとガチャのレベルが上がり排出率が向上する。
- その他チケットで回せるガチャも存在。こちらは上記ガチャレベルのカウント対象外。
- 討伐やフェスの倍速機能、おやつ、スペシャル討伐の回数、無料ガチャ、草むしりのげんき、勉強の時間短縮、育成用のアメなど、ゲーム内のリソースに関わるほぼすべての部分は広告視聴でボーナスが得られる仕様。
- 月額形式の課金アイテム「ゴールドパスポート」を購入することで広告視聴をカットできる。
良かった点
ちいかわたちの可愛さがしっかり再現されている
- 各キャラクターは原作漫画準拠のデザインでよく動き可愛らしい。
- 原作絵がそのまま動いている感じ。
- 動きやシチュエーションも原作のものが再現されており、ファンなら見ているだけで嬉しくなるだろう。
- 衣装もそれなりに豊富。
- ちいかわの独特な世界観を放置ゲームのシステムによく落とし込んでいる。
- 友好的なサブキャラをおたすけキャラとして呼べるシステムあたりはファン向けのゲームとして良く出来ている。
- 敵キャラである「危ないヤツ」も不気味ながらどこか愛嬌がある感じをよく表現できている。
- 後述する内容の薄さや調整不足は問題だが、「ちいかわであること」が他のゲームとの差別化点として機能していると言っていいレベルには、原作愛が感じられる。
放置ゲームとして真っ当に遊ぶことが出来る
- リアル時間の経過でゲーム内リソースが補充され、毎日少しずつ強化して進んでいく放置ゲームの基礎部分は真っ当にプレイできる。
- プレイヤーのスキルはほぼ影響せず、数字を盛ることで進行していく。
- 装備やおたすけ、衣装違いキャラはもちろんのこと、ルームアイテム等ゲーム内のあらゆるものが味方戦力に影響し、どこを触っても少しずつ戦力の強化が出来る。
- 快適化したり、リソース補充を加速したり、無課金では入手できないキャラやアイテムを獲得してその分戦力に差をつけたりといった放置ゲームらしい課金要素も十分に用意されている。
- 強化した☆4のおたすけキャラが下手な未強化☆5・☆6より強くなったり、最大まで強化した場合のダブりが上位レアリティの強化に使えたりと、無課金~微課金でも時間(日数)をかければゆっくりながら進行できるよう配慮もされている。
- 中途半端に放置ゲーム要素を取り入れて元のゲーム性の邪魔をしたり、原作要素の落とし込みが上手く出来ていなかったり、放置ゲームとして破綻していたりなんていうゲームもチラホラ見られる昨今、キャラゲーながらしっかりと放置ゲームとして遊べるように作られている点は評価して良いだろう。
今のところマルチ要素が無い
- ちいかわという作品の客層を考えると、マルチ要素が無いのは良い点と言える。
- 小さい子供やゲームに慣れていない層もプレイすることが考えられるため。
- 一応討伐イベントでランキングは実装された。
不満点
あらゆる面で調整不足
ありとあらゆる箇所が調整不足であり、まともに遊ぶことはできるが面白さは全く無い状態。
キャラやアイテム類の性能
- 現状、ちいかわたちとおたすけキャラの与えるダメージの比率が誇張抜きに「1:99」くらいの差がある。
- ちいかわたちを育てるのではなく、おたすけキャラの火力を盛るゲームになってしまっている。
- ある意味原作再現と言えなくもないが、いくら放置ゲームとはいえさすがにゲームとして面白くない。
- 調整予定であることが発表されているので、いずれは改善されると思われる。
- 各数値が1000単位でアルファベット表記される。
- インフレ速度が尋常ではないため0が増えると見辛くなるというのは判るが、どれだけ育成しても「734a」「513h」のような表記になるので成長した実感が全くなく、爽快感の無さや虚無感に繋がっている。
- まぁ某ガ○ダムのように垓とか無量大数とか言われても困るのだが……。
敵の強さ
- ボスはもちろんのこと、ある程度の進度からは雑魚敵すら接触すると即死するようになる。
- 特に中盤あたり(筆者の進度基準)はたいりょくをいくら強化してもほとんど一撃死なので耐久系のステータスの価値が低い。
- 伴って、体力を上昇させる道具の価値も低くなっている。
- かと思えば終盤になると突然敵ボスの火力が下がり何発か耐えられるようになる。意味不明なバランスである。
- イベントすら敵が強い。
- 最後までクリアするのは相当な戦力が必要。通常討伐は仕方が無いにしても、イベントくらいはもう少し難易度を落としても良いのでは、と感じた。
討伐報酬コインについて
- 通常討伐で得られる討伐報酬コインが終盤あたり(筆者の進度基準)で完全に空気と化す。
- どのくらい空気かといえば、ゾウの討伐でawとか貰える段階で通常討伐はxとかのレベル。桁が違いすぎる。
- おそらく開発側の想定到達レベルと実際のプレイヤーの到達レベルの差が非常に大きく、開発側の想定到達レベルに沿った獲得量になってしまっていると思われる。
- 終盤以降は毎日限られた回数しか挑戦できないゾウの討伐の報酬ゴールドでしか育成できなくなり、あまりにも虚無。
- その上その辺りのタイミングでゾウの討伐が突然強くなり勝てなくなる。
- ゾウの討伐はゾウの討伐で想定到達レベルと実際の到達レベルに乖離があると思われる。
ゲーム内容が無さすぎる
- 放置ゲームとしてもコンテンツが無さすぎる。
- 放置要素と育成要素を除くとホームで動くちいかわたちと草むしりくらいしか残らない。
- サービス開始時からかなりのハイペースで各種イベントが開催されているが、すべて通常討伐と同じ内容の討伐をプレイするだけ。
- そしてその討伐すら上記した通り無駄に高難易度。
- 通常のゲームのイベントであるようなイベント限定のストーリーといったものすらないので、本当に虚無。
広告があまりにも多い
- ゲーム内のありとあらゆる行動で広告視聴を要求され、プレイフィールはすこぶる悪い。
- ゲーム内容の薄さと進度の無さに対してプレイ時間が圧倒的に嵩む。
- 当然ながら、プレイ時間の大半は広告視聴時間という意味。
- イベントも広告視聴が必要なため、新しいイベントが始まる=広告視聴数が増えるという図式となり嬉しさ半減。
- ちいかわの世界観を楽しみたいとしても、ここまで広告だらけだと没入感も何もない。
- しかも広告視聴がやたらと重く、機種によっては端末の発熱もヒドイ。
- 広告の前後に妙に長い読み込みが入る。
- 一応、課金で広告削除ができる他、今後広告の数を減らす調整が予定されている。
- 広告そのものは客層の広さから集金要素として適しているし、小さい子供に課金させずに利益を出すと考えればまぁ理解はできる。
- 放置ゲームゆえに、サブゲーとしてながらプレイが出来る環境であればそこまで気にならない。
客層に合っているかと言うと……
- マルチ要素が無い点は素晴らしいが、そもそも放置ゲームというジャンルが客層に合っているかというとなんとも言えないところ。
- 上記した調整不足もあり非常に虚無で、ゲームに慣れていない層が楽しめるかというとかなり苦しい。
- ゲームデザインが討伐を中心に構成されているが、ホーム要素などをメインにして「どうぶつの森」のようなゲーム性にした方が合っていたのではないか。
- 放置ゲームというのは思っている以上に一般に浸透していないものである。
まとめ
放置ゲーとして、焦らずのんびりプレイする分には最低限遊ぶことは出来る。ただし各要素があまりにも調整不足で、遊ぶことはできるが楽しくはないという状態。メインである通常討伐すら狂っていることを考えると、早急に改善しないと客離れは免れないだろう。
とは言えちいかわたちは非常に可愛らしく、世界観や雰囲気が良く再現されている。キャラゲーであることを考えればこの点はちゃんと評価されるべきだと思う。
広告の多さに関しても、課金すれば消せる点・調整が予定されている点・放置ゲー故にながらプレイで対策できる点を考慮すると筆者的にはそこまで大きなマイナスでなく、他の評価Dの作品と並べるには致命的なレベルのマイナス要素が無いため暫定的に評価Cとした。
ただ、今の状態では「虚無系の放置ゲーに理解のあるちいかわ好き」にしかオススメできず(いやオススメはしないが……。)、その中でもながらプレイができる環境にないと長くプレイを続けるのは難しいだろう。
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