【Steam】Etaine: Magic Survivor 感想

Etaine:Magic Survivor タイトル画面 Steam
タイトル Etaine: Magic Survivor
プレイした機種 PC Steam
メーカー TEMagic Games
満足度 S(とても満足。自信を持ってお勧めできる。)
要点
  • 低価格かつ非常に高品質なヴァンサバライクで、同ジャンルの楽しさをしっかり押さえている
  • 1プレイのテンポが良く、余計なストレス無しで快適手軽にヴァンサバが楽しめる
  • お色気、美少女要素はほぼ釣りでオマケレベル
  • 一部スキル性能に不満有り
執筆日 2024年8月22日

 

はじめに

Etaine:Magic Survivor タイトル画面

Steamにて一部チャレンジモード以外の実績制覇までプレイ。

見下ろし型の全方位シューティングゲーム…所謂『ヴァンサバライク』と呼ばれる、『Vampire Survivors』にインスパイアされた作品。

  • 画面内、全方位から迫りくる敵キャラを様々なスキルを用いて撃破していき、規定の時間まで生存できるかどうかというのが基本的なゲーム性。
    • 時間経過により出現する敵キャラが変化したり、強力な個体のエピックモンスターやボスモンスターが出現する。
  • スキルはマナ(所謂MP)を消費して発動する魔法、マナの最大値を犠牲にして装備することで発動は無償で使えるアーティファクト、そして自動で発動する才能という3つのカテゴリが存在し、それぞれ装備できる枠数に限りがある。
    • レベルアップの際にランダムでスキルが排出され、好みのものを選んで取得する。
    • 同じスキルを選択することでスキルの効果を強化することも出来る。
    • 複数のスキルの組み合わせによって専用のスキルが排出されるようになる要素もある。
    • ボス撃破時などに入手できる『タロット』で特定系統のスキルを大きく強化することも。
    • スキルの取得にランダム性が強く、ステージを最後までプレイすると取得状況がリセットされるため、ローグライト要素のあるゲーム性となっている。
  • レベルアップのスキル取得とは別に、ゲームを遊ぶと貰えるクレジットを使用してキャラクターの基礎能力の強化や追加要素の解放も行える。こちらは自動リセットはなく、永久的な強化となる。
    • 全キャラ共有となっており、任意でのリセットも可能。

ステージは3種類用意されており、それぞれにスタンダードモード(10分間耐えればクリア)と上級モード(20分)、マナが実質無制限に使える代わりに実績の達成ができないお試しモードの無双モードの3つのゲームスタイルが用意されている。

  • 加えて、20段階の難易度調整、ボスとの連戦で撃破タイムを競うボスラッシュモード、無制限に敵が湧き続ける中でどこまで耐えられるか競うエンドレスモード、特殊なルールの下で20分の耐久を目指すチャレンジモードといったやり込み用のゲームモードも用意されている。
    • これらはいずれも高難易度。実績コンプには避けては通れない道であり、なかなかの遊び応え。

その他、お色気要素あり。

  • 登場する6人のプレイヤブルキャラクターはいずれもセクシーな女性キャラ。
    • それぞれ得意な戦術や一部の排出スキルが違う。
  • 条件を満たすことでちょっとしたお色気スチルを見ることができる。

 

良かった点

ヴァンサバライクゲームとしてゲーム全体のレベルデザイン、ビルド要素の完成度が非常に高い。

  • 筆者は購入前はお色気要素のせいでゲーム性を不安視していたが、蓋を開けてみればお色気要素の方がオマケで、ゲーム性の方にこそ力を入れている作品だった。
  • 魔法、アーティファクト、才能は多種多様で、様々なビルドを楽しむことができる。
    • スキルには『弾丸』『貫通』『衝突体』『エリア』といった系統が設定されており、さらに火・水・風など同じ系統でも属性によってある程度戦い方が変わってくる。
    • ランダム性の塩梅が丁度良く、最終的には同じような構成になるとしても道程に変化が付くという程度になっており、飽きや過剰なストレスを感じさせない。
  • 最初のうちはスタンダードモードでも難しく感じるが、キャラごとの特性や各スキルの性能、組み合わせによるシナジーなどを少しづつ理解し、クレジットによる永久強化も積み重なることによって段々と長く生き残れるようになる。
    • その過程の中で新たなキャラやスキルが解禁され、新しいビルドを試したくなる。非常に中毒性が高く時間を忘れて繰り返し遊んでしまう魅力がある。
  • 1周当たりの時間が10分、20分と短めなのもテンポよく遊ぶことができ良好。
    • 本家ヴァンサバとの違いとしてHPは時間経過で自動回復、レベルアップはドロップ品を拾い集めなくても敵を倒した時点で経験値が入り自動で上昇する。これもフォロワーゲームとして快適性やテンポを重視した調整として好意的に受け止められる。
    • 効果音やBGMはアセットストアのものが使用されているが、各所適したものが採用されており爽快感を高めるチョイスとなっている。
    • ピクセルアートタイプのゲームだが、フォントは設定でピクセルフォントと通常フォントで好みの方を選べる。『Dream Tactics』でも評価したが全ピクセルゲームに採用してほしい素晴らしい配慮。
    • 全体として、ヴァンサバ系のゲームやローグライトのゲームの何が楽しいのか、フォロワーゲームとして何が求められているかと言う点への理解度の高さが伺える。

美少女要素、お色気要素で筆者のようなユーザーを釣りつつ、しっかりと作り込んだヴァンサバライクのゲーム性で真っ当に夢中にさせるという、逆ジャケット詐欺とも言うような、良い意味で期待を裏切る出来であった。

  • 『ヴァンサバライク+お色気美少女』というと当ブログでも何度も取り扱っている『qureate』の『メイドオブザデッド』(この作品自体は当ブログで記事無し)と被っているが、あちらと比べるまでもなくゲーム性に富んでいる。
    • お色気要素は完全にオマケ、というか無くても良いレベル。

 

不満点

一部スキルの使いづらさがやや目立つ。

  • 『エリア』系統の魔法は実用レベルまでの必要スキル数が多く、高難易度でやや扱いづらさを感じた。
    • 他の系統に比べ属性間での使用感の違いもあまりなく、プレイフィールはあまり良くない。
    • 初期装備がエリア系魔法の『ルーシー』は、それなりにゲーム性やビルド論を理解してきたタイミングで解禁されるのもあって、初回プレイ時の使用感が悪い。
  • 攻撃系アーティファクトがやや火力不足に感じる。
    • 魔法は才能で強化できるのに対し、アーティファクトの火力は頭打ちが早い。特定の魔法と組み合わせることで使用できる上位版でも同様で、高難易度ではやや心もとない。
    • 一度装備してしまえば使用の際の消費が無いため魔法より控えめなのは仕方がないところではある。
    • ランダムな装備済み魔法をコピーして発動するコピーアイや、魔法の使用に関わるマナを補強するマナストレージ等の補助系アーティファクトの方が使いやすく、ややバランスが悪い。
  • 強さや戦術の根幹がタロットに大きく依存しているビルドがあり、この点は少々運要素が強い。
    • 魔法など通常のスキルはレベルアップにより何度も抽選できる上に引き直しもできるのに対し、タロットはエンドレスモード以外では取得枚数に限りがあり、引き直しもできない。
    • それでいて何とも言えない微妙な能力のタロットがチラホラ。重要度の差が激しすぎる。
  • 『サリー』の初期装備である大鎌は上位版にすると射程が急激に短くなり、それでいて火力も出ずたいした追加効果もないというかなり調整不足なものになっている。
    • 本家ヴァンサバでも進化させると逆に使いづらくなることはあったため元ネタ譲りと許せるレベルではある。

ストーリー性はまったくない。

  • ストーリーや設定に関するテキストは一切なし。
  • 本当にただヴァンサバ系のゲームを楽しむだけの作品となっている。美少女やお色気を売りにしている以上、多少はストーリーがあっても良かったか。
    • といってもヴァンサバ部分の出来が良いためそこまで気にならない。むしろ邪魔が入らなくて良いとも。
    • これに関して、製作者は今後も『Etaine』シリーズとしてゲームを展開し、今後のシリーズでストーリーや世界観を描いていきたいとコメントしている。

その他細かい点。

  • スキル性能やワード解説などを閲覧できる百科事典はタイトル画面やステージプレイ中はいつでも閲覧可能だが、ステージ開始前のキャラクターセレクト画面ではアクセスできない。
    • 初期装備の性能を見たい時など、いくらか閲覧したいタイミングは有り、そのたびにタイトル画面に戻る羽目になる。
  • 翻訳は機械翻訳で、内容は理解できるものの極めて低品質。
    • この点でも、ストーリーが無くてよかったと言える。

 

まとめ

ヴァンサバライク、ローグライトへの理解度が高い開発者によって作られた秀作。一部スキルに難はあるものの全体的に手軽にヴァンサバ系の楽しさが味わえるようよく調整されており、手軽ながら(手軽だからこそとも)ついつい繰り返し遊んでしまう、元ネタに負けず劣らずの高い中毒性を持つ。

美少女+ヴァンサバで、ヴァンサバ部分がしっかり楽しめる作品として見れば間違いなく満足できる作品と言えるだろう。はじめてのヴァンサバにもオススメできる。

お色気部分に期待しすぎると間違いなく痛い目を見るので過度な期待は禁物である。

 

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