【Steam】FUBUKI ~zero in on Holoearth~ 感想

FUBUKI ~zero in on Holoearth~ タイトル画面 Steam
タイトル FUBUKI ~zero in on Holoearth~(フブキ ゼロインオン ホロアース)
プレイした機種 PC Steam
メーカー PEPOSOFT/Phoenixx Inc.
満足度 B(やや満足。条件付きでお勧めできる。)
要点
  • 『ロックマンゼロ』風ハイスピードアクション
  • ドット絵が綺麗で、キャラも魅力的
  • アクション操作の快適性など序盤の爽快感はなかなか
  • ハイスピードアクションとしての調整不足が目立つ
  • ファンアイテムとしても少々物足りない
執筆日 2025年4月25日

 

 

はじめに

FUBUKI ~zero in on Holoearth~ タイトル画面

Steamにて難易度HELLで通常クリア+難易度HARDでボスラッシュクリアまでプレイ。

バーチャルYouTuber事務所・ホロライブプロダクションによるメディアミックス作品「ホロライブ・オルタナティブ」の世界観で描かれるアクションゲーム。ホロライブ所属タレント 白上フブキを主人公とし、刀で敵を斬り、ジャンプやダッシュでステージを駆け抜ける、『ロックマンX』『ロックマンゼロ』風のハイスピードアクションが楽しめる。

ちなみに筆者は『VTuber全然見ないけど有名な人の名前と見た目程度は知っている』くらいの興味関心度。

 

基本システム

  • ステージ制で、各ステージ最深部にはボスが待ち受ける。
    • ボスを倒せばそのボスにちなんだサブウェポンが獲得できる。
    • 『ロックマン』シリーズを思い浮かべればわかってもらえると思う。
  • フブキの基本アクションは通常攻撃・チャージ攻撃・ジャンプ・壁ジャンプ・ダッシュ・しゃがみ。
    • 通常攻撃は連打でき、少しの距離斬撃が飛ぶ。
    • チャージ攻撃は画面端まで貫通する斬撃が飛ぶ。
    • どちらも上下方向に打ち分けできる。
    • ジャンプは最初から2段跳べる。壁ジャンプも『ロックマンX』などと同等のもの。
    • ダッシュは姿勢を変えずに移動速度が速まる。

 

サブウェポンと召喚

  • 刀での攻撃とは独立して使用できる攻撃。
    • 主に飛び道具。
    • クールタイムあり。
    • サブウェポンはボス撃破、召喚はステージ内などで入手。

 

その他システム

  • スパチャを集めると残機UP。
  • 拠点にてキャラクターと会話したり、ショップで買い物ができる。
    • ステージセレクトも拠点から。
  • 難易度設定はEASY、NORMAL、HARD、HELLの4段階。
    • いつでも変更可。
    • 難易度選択とは別に、被ダメージ調整と穴への落下を防ぐ機能も。

 

良かった点

丁寧に描き込まれたドット絵と魅力的なキャラクター

  • ゲーム全編を通して、ドット絵は非常に細かく描き込まれており綺麗
    • 敵も味方も良く動き、古臭さや低価格感を感じさせないクオリティ。
  • 登場キャラクターも魅力的。
    • VTuberをほとんど知らない筆者でもふつうに楽しめたし、可愛いと感じた。
    • クオリティの高いドット絵によってコミカルで表情豊か。

 

アクションとして、ファンアイテムとして楽しめる要素を押さえている

  • 通常斬撃が短射程ながら飛ぶ、チャージ斬撃は画面端まで飛ぶ上貫通、2段ジャンプ、上下方向にも斬撃できると、他のゲームならフル強化レベルのアクションが初期状態から使用可能。ゲーム序盤の爽快感はなかなかのもの。
    • 特に貫通するチャージ斬撃によって雑魚敵をまとめて薙ぎ払うのは気持ちがいい
  • 4段階の難易度設定に加え、敵からの被ダメージを設定できる機能も用意されている。
    • アクションが苦手な人は難易度を落として、逆に慣れている人は難易度を上げて、幅広い層が楽しめるようになっている。
  • それぞれのステージが各ボスキャラクターのイメージに合ったものになっているなど、「ホロライブ・オルタナティブ」の世界観の中で様々な再現要素が盛り込まれている。
    • まったく知らない筆者でもキャラクター物としてしっかりと楽しめた。
    • もちろん前述したドット絵の良さもこの点に寄与している。
    • ただしこれらは、あくまで基本的な部分は押さえているというものであり、問題点は多い。後述。

 

不満点

ハイスピードアクションとしての調整不足が目立つ。

致命的とまでは行かない細かい難点が多く存在し、せっかくのハイスピードアクションを活かしきれていない

ダッシュがやや空気

  • ダッシュによる高速移動を駆使してステージを駆け抜けるのがハイスピードアクションの楽しさの大きな要素だと思っているため、この点はマイナス。
    • ステージの広さや敵の攻撃・配置に対して通常移動が充分に早いため、ダッシュが無くても快適に動けてしまうのが原因の1つ。
    • 後述する攻撃力不足によりサブウェポンや召喚を駆使する必要があるためボタン操作が忙しく、ダッシュまでする余裕がないというのも原因。(攻撃力不足で敵が倒せないためダッシュで駆け抜けられないとも)

通常攻撃が弱すぎる

  • 通常の斬撃の威力が低く、わざわざ敵に接近して使用する価値が全くない。
    • チャージ攻撃が高火力・高速チャージ・広範囲・貫通とあまりにも高性能なためこちらがメインになりがち。
  • 効果音も軽く、ヒットストップも無いため攻撃を当てた感が薄い
    • 上記したチャージ攻撃がメインになるせいで「遠くからチクチク」攻撃することが多く、ゼロ系アクションの「高速インファイトで敵をぶった切る気持ちよさ」を期待すると肩透かしに感じる。

画面が見辛い

  • ドット絵自体は綺麗なものの、見栄え重視で見やすさ・遊びやすさが考慮されていない印象。
    • 敵味方共に攻撃エフェクトが非常に見辛い
  • 敵のHP表示がかなり小さく、上記した攻撃を当てた感の薄さと併せてダメージを与えている感が無い。
    • その上で一部の中ボスやステージボスがやたらと硬く(こちらの火力が低すぎるのもあるが)爽快感とは真逆の虚無感や作業感を強調してしまっている。
  • その他召喚やサブウェポンのクールタイムをはじめ画面内に情報が多く、さらに1つ1つの表示が小さく広範囲に配置されているのでとにかく見辛い。
    • ハイスピードアクションなのだから見やすさは重要。素直に画面の左右にゲージを並べるだけでよかったように思う。

ボリューム不足

  • 全6ステージ。値段を考慮しても『ロックマン』シリーズと比較するまでもなく少ない。
    • 1つ1つのステージも短く、ギミックなどもほとんど無い。
    • ボスラッシュモードはあるものの、上記の通りボスや中ボスに対して虚無感や作業感があるのであまり嬉しいものではない。
  • ボリュームが無いなりにサクッと遊べるコンパクトな作品に仕上がっているかといえばそうでもなく、かさ増し要素はしっかりある。
    • 拠点のショップで使用できる通貨の所持数上限がやたら少なく、一瞬でカンストする。
    • 所持数がカンストしていても1つしか買えない値段設定のため、1つ買ってはカンストさせて1つ買って…と無駄に周回させられる。
    • 通貨の所持数上限が少ない点に関しては、通貨をステージ内で回復アイテムに変換できるため回復ゴリ押しが可能になってしまうから制限しているという見方もあるが、所持数を制限するのではなく回復アイテムへの変換回数を縛るなり他にいくらでもやりようはある。
    • そもそも回復アイテムはショップで買って持ち込めるため今の仕様でもかなりゴリ押しが効く。

出来ることが最初から完成してしまっているため、マンネリ感がすごい

  • 最初からほぼすべてのアクションが解禁されているため、オープニングステージからラスボス戦までやることが一切変わらない
    • 唯一拡張される召喚とサブウェポンもフブキのアクションとは独立しており、単にダメージを与えるものばかり。
  • ロックマンシリーズのようにボスに弱点の概念があるわけでもなく、ステージ内の探索要素やギミックもほぼ無いに等しい。
    • これにより、召喚やサブウェポンによるアクション性の拡張がより感じられなくなっている。
    • 一応「お・る・や・ん・け」の文字を集める要素や、隠しマップ(ボーナスマップ)のようなものもあるが探索要素と呼べるものではない。
  • ステージ数は少ないのに、それでもマンネリ感が強い

 

アクションとしてもファンアイテムとしても中途半端

  • アクションゲームとしては上記のようにハイスピード感・爽快感を損なう調整とボリューム不足、マンネリ感によってイマイチなプレイ感。
    • 序盤は楽しく感じるが、最終的な満足度は上がってこない。
  • ファンアイテムとして見た場合、確かにキャラの良さはあるものの、ボリューム不足からくる登場人物の少なさと、フルボイスではない点が足を引っ張る。
    • パートボイスとしてもイマドキのゲームとしてボイス数はかなり少ない
    • 拠点での会話パターンも多くなく、そもそも拠点に来てくれないキャラもいる。
    • と言っても、そもそもホロライブのファンというわけではない筆者の感想なので、ファンの人が満足しているのならこの点は問題ないのかもしれない。

 

まとめ

システムは『ロックマンX』『ロックマンゼロ』寄りなのにバランス調整は『ロックマン』寄りになっており、ハイスピードアクションの魅力を面白さに昇華出来ていない節がある。ではファンアイテムとしてならどうかと言えばホロライブのタレント数に対して登場人物が少なく、ボイスの量も少ない、会話も少ないと何とも微妙。

この値段でこの規模なら、フルボイスにしたりもう少しキャラを増やしたりして「ゲーム性は弱いけどファンアイテムとして満足度が高い」ものにするか、ハイスピードアクションとしてしっかり調整して「ファンアイテムと見せかけて実はゲーム部分が(金額のわりに)めちゃ面白い」のどちらかに絞ったほうが良いものに仕上がったのではないか。

結果として、アクションとしてもファンアイテムとしても最低限の楽しさといったところ。美麗なドット絵など良い点はあるし、問題点も細かいものが多く不満側に天秤が傾くほどではないので普通に遊べるが、やや勿体ない作品だ。

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