【Steam】グリム・ガーディアンズ デーモンパージ 感想

グリム・ガーディアンズ タイトル画面 Steam
タイトル グリム・ガーディアンズ デーモンパージ
プレイした機種 PC Steam
メーカー インティクリエイツ
満足度 B(やや満足。条件付きでお勧めできる。)
要点
  • 2人1組アクションとしてよく作りこまれたステージデザイン
  • インティクリエイツらしい遊びごたえのあるボス戦
  • 探索周りに難点多し
  • 定価だとボリューム不足気味
執筆日 2024年3月11日

 

はじめに

グリム・ガーディアンズ タイトル画面

Steam版を実績コンプまでプレイ。インティクリエイツ開発の横スクロール2Dアクション。開発元やビジュアルのイメージからメトロイドヴァニア臭を感じるが、ヴァニアではなく旧作の悪魔城ドラキュラやロックマンをベースに、一昔前に流行ったちょいエロ萌えバカゲーのノリをつけ足したようなゲーム性となっている。基本的にはレトロライクなピクセルアートのステージクリア型となっており、各ステージのボスを倒すことで新たな武器が手に入り、戦い方の幅が広がったり、一部のステージギミックを解くのに活用できるようになっている。

また、本作は同開発元の『ぎゃるがん』シリーズのスピンオフ作品となっている。少なくともsteam版のストアページを軽く見ただけではスピンオフ作品であることがわかりづらかったためその点は不親切に感じた。とはいえ『ぎゃるがん』シリーズをまったく知らない筆者でも問題なく楽しめた。

なお、本作は2人同時プレイも可能であるが、筆者は完全ソロプレイで感想を書いているのでご了承願いたい。

 

良かった点

各ステージは遠距離攻撃で長身で高耐久低下力の姉『しのぶ』と、近距離攻撃で超火力紙耐久な小柄な妹『真夜』を自由に切り替えながら攻略していく。ボス撃破で入手できるサブウエポンも姉妹で別々のものが手に入り、姉は攻撃重視、妹は移動や防御重視のものが多い。どちらかが戦闘不能にならない限り常に2人一緒であり、ステージ構成や敵の配置もそれを活かした調整がされている。この辺りの調整は開発元のノウハウが活きており非常に秀逸。初見の場所は姉で安全に戦い要所で妹に切り替える、敵の配置やステージ構成が頭に入った2周目以降は妹メインでサクサク進む、といった流れを基本に、各種サブウエポンを有効に使えるシーンが多数用意されていたり、姉妹それぞれ別々の解法が用意されていたりと、2人1組のアクションゲームとしてしっかりと調整されている。

特にボス戦ではこの点が顕著。ボスごとに攻撃パターンは完全に決まっているため、何度かプレイして攻撃パターンを覚えて的確なタイミングで攻撃を叩き込むことが重要視される、開発元らしいバランスに仕上がっており、やりごたえ抜群。しのぶのナイフ・グレネード・ロケットランチャー、真夜の溜め撃ち・バリア・ペンギン・傘あたりをうまく使えた時の爽快感がたまらない。各ボスにはインティクリエイツお家芸の最後っ屁も用意されており、こちらも初見で完全回避は難しいが覚えれば無傷でやり過ごせる。ボスラッシュモードも搭載されており、なかなか遊びごたえがある。

『ぎゃるがん』シリーズ由来のキャラクターたちのかわいさも魅力。上記の通りシリーズ未プレイの筆者でもキャラの魅力が理解できる程度には可愛かった。

インティクリエイツ産らしくドット絵の出来もよく、純粋な横スクロールアクションゲームとして見るとよく出来た作品だが、気になる点もいくつかある。

 

不満点

まずは戦闘不能時の仕様について。上記した通り本作は常に2人1組で戦うゲームとなっているが、1人が戦闘不能になると戦闘不能になったキャラクターはその場に倒れて放置され、もう1人がチェックポイントに戻される仕様になっている。戦闘不能になった場所に戻れば蘇生して再び2人で戦うことができるが、せっかくの2人1組なのだから、1人が戦闘不能になってももう1人でそのまま戦闘続行させてくれたほうがテンポが良かったように思う。特に1面のボスの最後っ屁攻撃は戦闘キャラが捕まってもう1人に強制交代し、敵を撃破して捕まった仲間を助けるというものになっており、これができるのなら尚更…と感じてしまう。

探索要素についても不満に感じる点が見られる。本作はボスを倒すと入手できるサブウエポンを活用してステージギミックを解いたり、届かなかった場所に行けるようになるといった要素が存在し、その仕様上各ステージ初来訪時にはステージ内のすべての配置物を回収することができない。それを逆手に取って、ストーリー中に各ステージにもう一度戻ることになるのだが、にもかかわらず、ゲーム中にマップを見ることがほぼできない。拠点から各ステージにワープする時のみ簡易全体マップが見られるのだが、ステージ攻略中には一切見ることができない。簡易マップにアイテムや未踏ルートは示されないため、当然ながらどこの何を取り逃しているのか、どこに行っていないのかは全くわからない。レトロライクを意識したゲームであるのは理解しているが、探索ボリュームはレトロ相当ではなく、さすがにここまでレトロ仕様にする必要はないだろう。

『パンツ集め』も非常に意地悪。ゲームを1度クリアすると各ステージにパンツが現れ、すべて集めるという展開になるのだが、上記のマップ無しに加えてクリア後なので上記した各ステージに一度戻った後、実質3周目以降にしか回収できないアイテムとなる。中には1~2周目ですでに他のアイテムの回収のために行ったところに配置されるものもあるため、ギミック系や分岐などまで結局すべて探索し直しになる。マップも見られない中で全40枚ものパンツを集めるのは軽くうんざりした。

ステージ数がやや少ないのも難点。筆者はセールで購入したためそこまで気にならなかったが、定価で買うとボリューム不足に感じるラインだろう。探索のため何度もステージを攻略することになる割にレベルなどの育成要素やパンツ以外の収集要素は無いため、同じ敵を何度も倒すことにうま味がないのもゲームデザインに合っていないように感じる。

 

まとめ

探索要素の作りこみ不足が気になるものの、純粋な横スクロールアクションとしてはよくできている。良くも悪くもインティクリエイツ製らしさが出ている作品なので好みの問題はあるだろうが、ほかのインティクリエイツ製アクションが楽しめる人であれば本作も楽しめるのではないだろうか。定価で買うとボリューム不足なのでセール時にぜひ。

 

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