タイトル | メダロットサバイバー |
プレイした機種 | iOS iPhone13/iPad Pro |
メーカー | イマジニア |
満足度 | D(不満が勝る。たいていの場合お勧めできない。) |
要点 |
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執筆日 | 2025年2月25日 |
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ゲーム雑記Vol.1 |
はじめに
iOS版をステージ30まで+チャレンジ途中までプレイ。
イマジニアよりリリースされたスマートフォン向けアプリゲーム。シリーズ初のサバイバーアクションと銘打ち、爽快感溢れるヴァンサバライクゲームとなっている。
基本システム
- 『Vampire Survivors』風のステージ制全方位シューティング。
- 四方八方から襲い来る敵メダロットの群れを倒しながら、基本8分間の生存を目指す。
- 攻撃は自動で行われるため、プレイヤーの操作は移動のみ。
- 2分、5分、8分で雑魚敵は消滅するが代わりに出現するボスを倒さないとクリアできない。
- ボス戦ではタイマーが停止するため実際の戦闘時間はもう少し長い。
- 雑魚敵が落とすEXPジェムを取得するとレベルアップ。
- レベルアップ時は技(機体)と補助スキルからランダムで3つが提示され、1つを選択して獲得できる。
- 獲得済みのものを再獲得すると☆が増え強化される。
- 技を星5まで強化した上で、各技ごとに決まった補助スキルを所持していると、レベルアップ時の選択肢に『バースト』スキルが出現することがある。獲得することで技が大きく強化される。
- 提示される技(機体)は所持しているメダロットから”チームに編成されているもの+ランダム数体”で構成される。
チーム編成
- 1チーム6体のメダロットを編成。
- 上記した通り、編成した6体の技は戦闘中レベルアップ時のランダム排出のテーブルに必ず入る。
- リーダーに指定したメダロット(αのメダルを付けたメダロット)を操作することになり、リーダーの技は戦闘開始時に自動で獲得する。
- また、メダロットは1体1体がいくつかのパッシブスキルを持つ。編成したメダロットが持つパッシブスキルはすべて反映される。
- パッシブスキルはメダロットのレアリティで解放される。
- レアリティは同キャラ合成等で上げられる。
放置システム『メダサーチ』
- リアル時間経過でゲーム内リソースが補充される放置システムが採用されている。
- スタミナを消費して『クイックサーチ』することで数時間分の報酬を即時獲得することも可能。
- メダルを育成するための『メダジウム』は主にこのサーチで獲得する。
良かった点
サバイバーシューティングとして最低限楽しい
- ヴァンサバ風サバイバーシューティングとして最低限の楽しさはある。
- あと1回、もう1回だけ……とついつい遊んでしまう感はある。
- ヴァンサバそのものがすでに楽しさが確立されたシステムなので当然ではある。
シリーズファン目線での良さ
- 本作の為に新規にデザインされた機体、キャラはどれも魅力的。
- 一部BGMやSEに原作シリーズのものが使用されている。
- グラフィックはいかにも低予算感漂うものだが、それでも歴代メダロットのちびキャラをグリグリ操作できるのは楽しい。
不満点
ソシャゲ化したことによりヴァンサバとしての楽しさが劣化
- 夢中になってついつい遊んでしまう中毒性が魅力だが、スタミナがあるため遊べない。
- そもそもスタミナをステージに充てるほどクイックサーチに充てられるスタミナが減り、育成が遅れる。少なくとも1日3回のクイックサーチ分はスタミナを捨てることになる。
- 後述する調整不足によりステージ挑戦からの即ゲームオーバーも珍しくなく、スタミナを無駄にしやすい。
- もちろん商売としてやっているため1番の課金ポイントではあるのだが、そもそも本家ヴァンサバや他コンソールのヴァンサバライクの多くが500円~1000円前後という安価で販売されているため、課金してスタミナ回復することへの納得感が弱い。
- スタミナ回復がやたらと高額なのも難点。
- チャレンジモードはスタミナ消費が無いため一応遊ぼうと思えば遊べる。
- 技(機体)の入手がガチャ依存のため、使える技(機体)がガチャを引かないと増えない。
- 低レアリティのメダロットはステージクリア報酬としても入手できるが、SPECIAL機体はガチャ限定。
- 逆に、ガチャを引けば引くほど使える技(機体)の数が増え、戦闘中のランダム排出でいらない技(機体)が出てくる確率が上がる。
- サービス開始直後の現時点ですら不要な技(機体)が排出されることが多く、サービスが続いてガチャを引くほど不利になる可能性があるのは問題だろう。
- そもそもバランス調整が下手なのも一因。
- タッチ操作ならではの操作性の悪さも。
- 微妙に滑る感じがあり細かい操作が効きづらい。
- 画面全域が戦闘画面なのに指を置かないといけないため見辛い。
- 後述するバランス調整の問題で難易度高めのため操作性の悪さが気になりやすい。
全体的な調整不足
- 全体的に敵が硬すぎる。
- こちらの攻撃の威力に対して硬すぎるため、余程格下のステージでないとヴァンサバ特有の爽快感は微塵もない。
- その上数も多い。ステージ序盤で攻撃技の種類(手数)を増やせないと成す術もなく倒される。
- 特に移動速度が速いヘルフェニックスが序盤で出現するステージはヘルフェニックスを接触前に倒せるかどうかで火力や手数による厳しい足切りが発生する。当然ステージ毎に推奨戦闘力の表示なども無い。
- ボスもやたらとタフなうえ、ステージ中3回も戦うので総戦闘時間がかなり長い。
- スマホゲームとして致命的な1プレイの長さ。最初は良くても、長く続けていると間違いなくダレる。
- しかもボスの攻撃パターンが恐ろしく単調で、つまらないパターンを延々ループする羽目になる。
- 操作性の悪さもあり、延々とループした挙句操作ミスで死亡するとかなりの虚無感を味わうことになる。
- 長く続けて育成が進めばある程度解決する問題ではあるが、長く続けられるデザインになっていない。
- ちなみに倍速機能は課金専用。
- サービス開始直後にしてすでに技(機体)格差が激しい。
- コインの使い道が無さすぎるためコイン獲得数上昇効果を持つ補助スキル『ブラックカード』の習得優先度が低く、それに伴い『ブラックカード』がバースト条件の機体はかなり使いづらい。
- しかも『ブラックカード』がバースト条件となる機体がやたらと多い。わざとか?
- 格闘系の攻撃は似たり寄ったりなものが多く、その上で範囲や威力に明確に差があるためハズレが多い。
- ステージ数は多いが……。
- 縦長ステージの山脈と横長ステージの浜辺はまだマシなものの、それ以外はどのステージもプレイ感は全く変わらないためステージの多さによるボリューム感に中身が伴わない。
- チャレンジという高難易度ステージも同ステージで3段階の難易度が用意されているが、プレイ感が変わらない上HARDの報酬がマズ過ぎて印象が悪い。
- HARDの報酬がマズ過ぎるというのも、『精密研究』というプレイヤーレベルが一定に達した際に『研究ROM』を消費してバフを獲得するシステムで使用する『研究ROM』が貰えるのだが、プレイヤーレベルが上がるのが遅すぎて余りまくるので魅力がない。
- メダサーチも調整不足。
- 上記したスタミナの問題もあるが、そもそもメダルの育成は基本メダサーチでしかできないというのがヴァンサバの遊びに合っていない。
- 本来のヴァンサバは中毒的に何度も遊びたくなり、何度も遊ぶことで出来ることが増えていくデザインであり、本作の育成とプレイを天秤にかける仕様とは真逆である。
- とはいえ1プレイが長すぎるためスタミナの手軽な消費先が必要ではある。
メダロットとしての良さは1つも無い
- 絵と一部BGMがメダロットになっただけで後はほぼヴァンサバ(というかダダサバイバー)であり、独自性は皆無。
- ヴァンサバとしても上記の問題点により満足度は低い。
- 唯一メダロット感を出しているチーム編成も他のヴァンサバライクで言う持ち込み系のシステムと変わりなく、目新しさはない。
- シナリオやキャラクター性も無し。
- 5ステージ毎に背景設定のようなものの説明は入るがストーリー性は無し。
- パーツ組み換え、メダルやメダロッター、メダフォースにメダチェンジにメダリアなど、シリーズ原作に存在したヴァンサバ風メダロットとして独自性が出せそうな要素はほぼ排除されている。
- メダルは存在するものの『α』『β』……とかなり無味乾燥で、本家シリーズにあったパーツとの相性や性格による補正なども無い。
- シリーズ再現要素として序盤で新型カブトクワガタメダロットである『エレファスソーマ』『ブラリスマンディ』のどちらかを貰えるが、カブトクワガタメダルもなければストーリーも無いので相棒感は全くない。
- こういった要素はサービスを続けていく上で後から追加するために残してあるとも捉えられるが、現時点でメダロットである必要性が何一つとしてないレベルでメダロット要素が無いのでは本末転倒。
- それこそ『Struggle F.O』のように編成したメダロットそれぞれが独自に動いて戦い、必殺技としてメダチェンジしたメダロットにライドできる形にした方がメダロットとしてもヴァンサバとしても味が出せただろう。
広告が多すぎる
- コンティニューをはじめ、スタミナ回復、クイックサーチ、ガチャとあらゆる場面で『広告を見ることでボーナス』が採用されている。
- 特にコンティニューに広告が入るのが最悪で、ただでさえ長いプレイ時間がさらに悪化している。
- 商売としてやっている以上仕方ないし、ユーザーとしても課金せずに開発側に利益が入る仕組みではあるのだがさすがに数が多すぎる。
- ステージを遊ばずにクイックサーチで済ませるプレイスタイルだと、下手をすると広告を見ている時間の方が長い。
- 本作の低予算感に加え『メダロットS』という既存のソシャゲもあり、さらにはコンシューマでのシリーズ展開が2016年以降停止しているなど、”利益がシリーズ展開に還元されていない”感があるのも印象の悪さに繋がっている。
まとめ
ヴァンサバライクである以上当然とも言える最低限の楽しさはギリギリ確保されているが、ソシャゲナイズしたことでその点も霞み、なによりメダロットである必要を一切感じさせない独自性の無さが大きな難点。
ヴァンサバとメダロット、ヴァンサバとソシャゲ、ヴァンサバと放置要素といった掛け合わせた要素になんの相乗効果も生み出せておらず、単に絵がメダロットになってソシャゲらしく劣化させたヴァンサバと言う以外に形容しようがない。
隠しきれない低予算感と、その上で強烈な拝金主義でシリーズファンの贔屓目でも印象が悪く、プレイ時間も嵩む。
”見た目がメダロットである”というただ1点に並々ならぬ魅力を感じられる人ならとりあえず普通に楽しめるとは思うが、そうでなければそこらのヴァンサバライクを500円前後で買った方が満足度は高いだろう。
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