タイトル | NUNHOLY(ナンホーリー) |
プレイした機種 | PC Steam |
メーカー | Chowbie |
満足度 | B(やや満足。条件付きでお勧めできる。) |
要点 |
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執筆日 | 2025年2月1日 |
はじめに
Steamにて実績コンプ+全キャラクリアまでプレイ。
イラストレーターであり個人ゲーム開発者でもある、韓国の『Chowbie』氏が手掛けるエッッッな服装の修道女たちを操作してヴァンパイアと戦うローグライトアクションゲーム。
基本システム
- プレイヤブルキャラは3名。
- 強力な遠距離攻撃の弾数を近接攻撃で回収するヴァンパイアハンター、プレイヤ。
- 遠距離攻撃でゲージを溜めて近~中距離に撃ちこむ処刑人、マリー。
- 中距離で手数を活かした戦い方が得意な浄化者、セイン。
- データ作成時に使用するキャラクターを選択、以後そのデータではそのキャラクターしか使えない。
- 別のキャラクターを使いたい場合はセーブデータを新たに作り直す必要がある。
- スロットは4つ。
- 拠点からダンジョンに入り、最深部にいるヴァンパイア女王を倒すのがゲームの目的。
- 基本は見降ろし型アクションで、『Hades』ライクといえばだいたいイメージできる内容になっている。
- ヴァンパイア女王の部屋は封印されており、手前のボスを倒すことで少しづつ弱まっていく=周回が必要。
- ダンジョン内でのレベルアップなどの強化状況はダンジョンを出るたびリセットされる。
- NPCの親愛度アイテム及び拠点でのショップ通貨となる宝石と、同じく拠点ショップでの通貨に使用するコインのみ持ち帰ることが出来る。
- これら宝石とコインを用いて拠点でキャラの強化が出来、こちらの強化はリセットされないため、周回を重ねるごとに少しづつ強くなってく。
- ゲームオーバーによるペナルティは無し。
- クリアしようが途中退場しようが、ダンジョン内で得た強化はリセットされ、宝石やコインのみ持ち帰ることになる。
強化システム
- ダンジョン内で敵を倒し。ヴァンパイアの力を取り込むことでレベルアップを行う。
- レベルアップ時には『血』の属性を持つスキルをランダムで獲得。
- ヴァンパイアの力を取り込むかどうかは任意。ヴァンパイアを倒すためにヴァンパイアの力を利用するか、それとも人間のまま戦うかはプレイヤーの自由。
- 取り込まない場合、血の塊を攻撃で破壊することでダンジョン内で使用できる通貨に変換出来る。
- ダンジョン内で杯を獲得したり、ニンニクを摂取することで最大HPを増加させられる。
- 回復手段に乏しいため、HPの確保は重要。
- ダンジョン内ではアーティファクトと呼ばれる道具を獲得できる。
- アーティファクトは特定属性の威力を高めたり、特定攻撃をトリガーに追加攻撃を発生させたり、敵から受けるダメージを軽減したりと様々な能力を持つ。
- アーティファクトはバッグに入れて持ち歩くことになるが、バッグはマス目状になっており、各アーティファクトは大きさや形状が異なるため、うまく並び替えてバッグ内に収まるようにする必要がある。
- いわゆるバッグパック系のシステム。ロックマンエグゼのナビカスタマイザーと言えばわかる人にはわかるか。
- 繰り返しになるが、拠点では宝石やコインを使用して各キャラの基礎能力を強化できる。
- 拠点での強化はリセットされない。
- HPや攻撃力の他、ロックされた武器を解除する等。
- 各キャラともにメイン武器、サブ武器、スキルの3枠の攻撃手段を持ち、それぞれ物理属性、火器属性、神聖属性の3種類が存在。
- 武器のアンロック後、ダンジョンのインターバルで換装できる。
- 持ち込む武器の属性、レベルアップによる血属性スキル、アーティファクトでの強化によってビルドの方向性を定めていくことになる。
ダンジョン
- 4部構成となっており、それぞれ入口とボス部屋以外はランダム構成。
- 部屋クリア型となっており、一部のショップ系の部屋以外は出現する敵をすべて倒さないと次の部屋に進めない。
- 4つ目のステージでボスを倒すとヴァンパイア女王の封印が弱まる。
- 次の部屋に進む際は扉のアイコンで部屋の種類がわかるようになっている。
- 五芒星:通常バトル
- 山羊頭:中ボス、撃破でアーティファクト獲得
- ハート:回復
- 杯:バトル後最大HP強化
- ニンニク:ニンニクショップ
- ひし形の宝石:ダンジョン内通貨が拾える
- 欠けた宝石:バトル後NPC親愛度アップアイテム獲得
- コイン:バトル後拠点通貨獲得
- 三日月:バトル後必殺技強化
- 袋:アーティファクトショップ
- 金床:バトル後アーティファクト強化
- 棺桶:ボス部屋
その他システム
- ミッション形式で敵を何体倒す等の条件を満たすごとにポイントが貰え、一定値に到達するとハンターランクが上昇。
- ハンターランクに応じて拠点のショップの品ぞろえが増えたり、ダンジョン侵入時にアーティファクトがもらえるなどのボーナスが発生する。
- 宝石を渡すことで各NPCの親愛度を上昇させられる。
- 親愛度が上がると回復ポイントでの回復量が上昇する等ボーナスが受けられる。
- エンディングは各キャラ2種類。
- スタッフロールでは使用したキャラのムフフなおまけイラストが見られる。
良かった点
エッッッな美少女+ローグライトの相性。
- 美少女(お色気)要素が短期的なご褒美の役割を果たしており、周回を重ねるローグライトにおいてモチベーションを保ちやすい。
- 操作中は見降ろし視点のせいで美少女要素が鳴りを潜めるものの、それ以外はどこもかしこもボインなシスターだらけ。
- レベルアップでのスキル選択画面でもセクシーなイラストが表示され、ご褒美感がある。
- 作者兼イラストレーターの絵やシスターが好きなら存分に楽しめるだろう。
- 『流行ったゲームに美少女(お色気)要素入れれば売れるでしょ』感が溢れているが、それでいいのである。
- ランダム性のあるビルドの楽しさ等ローグライトアクションとしてしっかりと楽しさや中毒性が再現されているため、釣られた不快感は感じにくい。
- もちろんこういったお色気要素は好き嫌いがあるだろうが、ストアページからして苦手な人が買ってしまうことはないだろう。
安価なオマージュゲームとしてライトに遊べる手ごろ感。
- 1,000円以下という安価で購入でき、テンポも良く1周当たりのプレイ時間もコンパクトにまとまっている。
- メイン武器・サブ武器・スキル、物理・火器・神聖と各要素毎にビルドが分かれており、キャラ毎にこれらの攻撃手段の使用割合が変わってくるため、ビルドの幅はありつつも初心者でも指針を立てやすい設計になっている。
- ある程度恒久強化が進み、ビルドの仕方にも慣れてくれば終盤の敵もサクサク倒せるようになり、周回テンポの良さはもちろんのこと、プレイヤーが上達した感も演出してくれている。
- それでいて3人×2エンドとなかなかボリュームがあり、値段に対して満足感を得やすい。
- 将来的なプレイモード追加を示唆する要素も。
- ただしあくまで安価な値段に対しての話。問題点は後述。
不満点
隠しきれない作り込みの甘さ。
- チュートリアルに相当する要素はほとんど無く、ゲームを始めると即座に放り出される。
- 特に次の部屋のアイコンは何の説明も無いためせっかくの親切要素が台無しになってしまっている。
- ビルドの指針のわかりやすさなど導線自体は悪くなく、最初の放り出しさえなければ……。
- 3人のプレイヤブルキャラの性能格差もややヒドイ。
- 使いやすい強キャラと使いづらい弱キャラにハッキリ分かれてしまっている。
- アーティファクトのバックパック要素も単に面倒な要素になっている。
- アーティファクトの大きさと平均的な入手数に対しバックパックのマス目が広すぎて、かなり意識して多く集めないとそもそもいっぱいにもならない。
- 隣接ボーナスやペナルティは無く、シナジー等も薄い。
- 種類は価格相応に少なく周回時に同じものばかりが手に入りやすい。
- 同じ形のものが多いのも一因。
- 操作感は全体的にもっさり気味。
- マップの広さや敵の散らばり具合に対し移動は遅め。
- 回避ダッシュももたつきを感じる。
- 一部攻撃のターゲット補正が弱すぎる。
- 特に飛び道具系の攻撃のターゲット補正が弱く、明後日の方向に飛んでいくことがしばしば。
- 攻撃範囲・頻度の関係で近づく隙が少ないボスがチラホラ存在し、飛び道具も当たらず無駄に時間がかかりやすい。
- 壁やオブジェクトの引っかかり判定の甘さも。
- 変なところで引っかかって移動できなかったり、攻撃が壁に当たって消えてしまったりと操作感の悪さに繋がっている。
- 部屋を移動する演出中にもすでに部屋内で敵が行動を始めており、場合によっては移動演出明けに即座に攻撃を食らってしまうことも。
- シナリオ等もほとんど無し。
- せっかくの美麗イラストシスターたちが中身のない記号的なものになってしまっているのは残念。
- ただ、開発者のフットワークはかなり軽く、こういった問題やバグに関して修正やアナウンスをこまめに行ってくれている。
- 逆に言うとこまめな修正を繰り返している状況で、正式リリース後でありながらアーリーアクセスやβテストじみた感覚が漂ってしまっている。
全体的に『値段の割には』止まり。
- ローグライトアクションとしての楽しさと中毒性こそ確保されているが、上記したように作り込みの甘さも目立ち、アクションでガッツリ遊ぼうと思って購入すると期待外れに感じやすい。
- 美少女要素もあくまでモチベーション維持のためのスパイス程度に留まっており、お色気目当てで購入するとかなり肩透かしを食らう。
- どちらの要素も『値段の割には』楽しめるレベルになっているが、『この価格でこのレベルの作品が遊べるなんて!』というものではない。
- 上記したような問題点に関わる部分をもう少しでも詰めて調整出来れば『この価格でこのレベルの作品が遊べるなんて!』に近づき、オマージュ作品として満足度の高いものになるため、惜しい作品と感じた。
- もちろん『値段の割には楽しめる』は悪い評価ではない。あくまで上記のような問題点で『値段の割には』に留まってしまっているのはもったいないな、という期待を込めてのものである。
- 多くを求めるとガッカリしやすいため、購入者の心構えによって評価が分かれやすい。
まとめ
開発者兼イラストレーターの趣味全開の、『こういうのでいいんだよ』系作品。安価で手ごろにHadesライクなローグライトアクションとクオリティの高いイラストが楽しめ、値段に対する満足度はなかなかのもの。
とはいえ値段相応に作り込みの甘さも目立ち、全体的にあと一歩物足りなさが漂う惜しい内容となっている。
低価格アクションとして相応の心構えで買えば値段以上には楽しめるため、イラストレーターの名前やエッッなシスターに釣られた人も、まずはあまり期待しすぎずに購入してみてはいかがだろうか。
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