【Steam】Sea Fantasy 感想

Sea Fantasy タイトル画面 Steam
タイトル Sea Fantasy(シーファンタジー)
プレイした機種 PC Steam
メーカー 株式会社メタスラ(METASLA)
満足度 A(満足。たいていの場合お勧めできる。)
要点
  • 釣りバトルが爽快
  • 最後まで飽きさせない工夫が感じられる
  • 値段に対して中身を伴うボリュームがある
  • シナリオはお使い感強い
  • 拭い切れないミニゲーム感
執筆日 2025年1月11日

 

 

はじめに

Sea Fantasy タイトル画面

Steamにてレベル最大、図鑑と竿コンプまでプレイ。

インディーゲームデベロッパー『メタスラ』が送る、ファンタジー”釣り”アクションRPG。

プレイヤーは釣り好きな少年『ロッド』となり、親友の『アクセル』と共に広大なファンタジー世界で海洋生物『シーアズ』を釣り上げる冒険の旅に出る。

 

基本システム

  • ドット絵で描かれた広大なファンタジー世界を探索し、水辺で魚影を見かけたら釣りバトルで釣り上げるというのが基本的なゲームの流れとなる。
    • 街や海、森の中、洞窟や火山のようなダンジョンなど様々なマップが用意されている。
    • 船で広大な世界を自由に探索できる。
  • ロッドとアクセルを切り替えつつ探索を行う。
    • ロッドは釣りと後述するクラフト、アクセルは大剣による斬撃の他、岩を持ち上げたり火の玉を飛ばしたりといった能力を持つ『魔道具』を使うことが出来る。

 

ロッドの強化育成

  • 主人公ロッドは『釣り竿』『釣り針』『釣り餌』『衣装』の4カテゴリの装備をカスタマイズできる。
    • これらの装備で『HP』『パワー』『ガッツ』『テクニック』『視力』『幸運』のステータスを強化することで、釣りバトルを有利に進めることが出来る。
    • 衣装カテゴリの装備は変更するとロッドの姿も変化する。
  • 釣りバトルによって経験値を獲得することでレベルアップも可能。
    • レベルアップ時にはスキルポイントを獲得、上記した各種ステータスに自由に振り分けることが出来る。
    • HPだけは振り分け無しで成長する。
    • とある場所で振り直し可能。

 

釣りバトル

水辺でシーアズの魚影を見かけたら、ロッド操作で竿をキャストすることで釣りバトルが発生する。

  • 魚がヒットすると画面にゲージが表示される。
    • 青い『COOL』ゲージと赤い『PERFECT』ゲージが表示されるので、タイミングよくボタンを押すことでシーアズに攻撃することが出来る。
    • COOLゲージは時間経過で短くなっていき、無くなってしまうとシーアズ側から攻撃され、ダメージを受けてしまう。
  • また、それとは独立してゲージ上部にタイマーが表示されており、このタイマーが0になることでもシーアズ側の攻撃判定となりダメージを受ける。
    • コチラが攻撃を成功させるかCOOLゲージが無くなるとゲージがリセットされ、どちらかのHPが0になるまで繰り返す。
    • ロッドのHPが0になれば敗北、シーアズのHPを0にすれば勝利となり釣り上げることが出来る。
    • 敗北時は最後に上陸した島のリスポーン地点から再開。
    • 勝利した場合は自動で素材をはぎ取る。

 

特殊なシーアズ

  • 紫の魚影は特殊なシーアズ。特殊シーアズとのバトルではゲージアクションにギミックが用意されている。
    • ゲージの方向が反転したり、ゲージ上に障害物が設置されたり、ダミーのラインが表示されたりと種類は様々。
  • また、すべてのシーアズについて『キングサイズ』と呼ばれる大きいサイズの個体が釣れることがある。
    • キングサイズを釣ると図鑑に王冠マークがつく。

 

素材とクラフト

釣り上げたシーアズから回収した素材を用いて釣り竿や釣り針の作成が可能。

  • 釣り竿の作成にはレシピ毎に定められた素材を消費する。
    • 作成できる竿の種類はクラフトレベルに応じて増えていく。
  • 釣り針の作成は自由な素材の組み合わせで行う。
    • 素材ごとに針にした際のステータスが設定されているため、好みのステータスになるように組み合わせる。
    • 同時に使用できる素材の数はクラフトレベルに応じて増えていく。
  • クラフトレベルはシーアズ図鑑のコンプ率によって上昇。

 

その他システム

  • 釣り上げたシーアズが自動で登録される『シーアズ図鑑』。
    • シーアズは100種類以上。
  • 各地の隠れた釣り場に出現する『オウゴンガエル』。
    • 集めると良いことがある。

 

良かった点

メインコンテンツの釣りバトルの完成度が高く、最後まで飽きずに楽しむことが出来た。

  • 全体的にテンポがよく、魚影の近くにキャストすれば余計な演出等も無しに即ヒットする。
    • よくある釣りゲームだと魚がツンツンする演出等が入りテンポが悪いが、本作はそういったものはない。
    • ゲージアクションのテンポもよく、サクサクプレイすることが出来る。
  • 特殊シーアズの妨害ギミックはバリエーションに富み、飽きさせない工夫として機能している。
    • 中には見た目にも派手で楽しいギミックもあり、紫の魚影を見つけた時のワクワク感は最後までキープできている。
    • ただ、一部ややストレスが大きいギミックも存在するため人によっては不快要素にもなり得るか。
  • 釣りに関わる各種効果音も爽快感のあるものが使われており、プレイしていて気持ちがいい。
    • これらの作り込みのおかげで作業感はあまり感じられず、ついつい時間を忘れて釣り続けてしまう中毒性がある。

 

値段に対してボリュームたっぷり。

  • レベル最大、図鑑と竿コンプまで+記事執筆のために+αプレイして30時間弱。
    • まだ達成できていない実績もあり、フルコンプまで含めれば35~40時間程度遊べそうだ。
    • プレイ時間に対する密度も濃く、上記したようにここまでしっかり楽しむことが出来ているため、値段に対するプレイボリュームの満足度は高い。
  • マップも釣りモノとして当然の広大な海はもちろんのこと、ジャングル・洞窟・火山・氷雪といったファンタジーモノとして押さえていてほしいロケーションは用意されている。
    • シーアズの種類は100以上。現代基準で考えるとやや少ないようにも感じるが、各ロケーションにうまく振り分けられておりボリューム感の演出や上項の飽きさせない工夫として機能している。
    • マップは広大だが無駄に広すぎることも無く、主人公たちの移動速度も速いため移動が面倒にならない。
  • ここまでいい意味でボリュームたっぷりだと、シーアズを釣って素材で釣り竿や針を作るだけでなく、料理等もあったらより楽しかったと思ってしまうが、贅沢を言ってはいけない。

 

不満点

あまりにもお使いすぎるシナリオ。

  • 主人公たちは故郷の島から出たことがなく、外の世界でも釣りがしたいという理由で旅に出る。
    • この設定ゆえに仕方がないのだが、主人公の行動や思想に強い動機付けがないため全体的に言いなり感が濃く、発生した状況に対して場当たり的に進行していくシナリオになってしまっている。
    • せっかくの広大な世界観を活かせていない。
  • 『主人公の行動や思想に強い動機付けが無く言いなり』という点で、主人公たちに魅力を感じにくい
    • プレイヤブルが2人と少なく、終始付き合うことになるため魅力の無さは無視できない難点。
    • 衣装変更もあまり嬉しくない。
  • シナリオ関連で序盤において強制進行となり『今は釣りをしている場合じゃない』と自由に釣りを遊べないシーンが多く、やや窮屈で退屈な時間が長い。
    • これに関しては最序盤のみで、全体的に見れば十分自由に遊べるため大きな問題ではない。

 

ゲーム全編を通して拭えない『ミニゲームの延長線上』感。

  • 釣りバトルの完成度が高いとはいえ、プレイフィールは他のゲームでもよくある『オマケの釣りミニゲーム』がちょっと豪華になったものの範疇を抜け出せず、終始ミニゲーム感が漂う
    • 低価格とはいえ何とも言えない物足りなさがある。
    • 少し古いが『川のぬし釣り』シリーズが好きだった人や、『軌跡シリーズ』など釣り要素のあるゲームで本編そっちのけで釣りに夢中になってしまうような人なら文句なしに楽しめるだろう。
  • 一部のダンジョンではアクセル操作で横スクロールの2Dアクション進行になったり、『ボスを弱らせて釣れる状態にする』という体で見降ろし型のアクションバトルになったりする。
    • 釣りの完成度に反してこういった要素の作り込みが甘く、楽しさよりも面倒さが勝ってしまっている。
    • 見下ろし型のアクションバトルは通常のゲームスタイルの延長線のためまだ良いが、横スクロールやシューティング風は本当に完成度が低く、ミニゲーム感を後押ししている。

 

主人公のステータス調整がかなり大味。

  • 主人公のステータスはいわゆる『全振り・ぶっぱ』しないと違いが判らず、振り分けやカスタマイズ性に対してかなり大味な調整。
    • 割と気軽に振り直しができるため大きな問題とは感じないが、最初の内は戸惑うことだろう。

 

まとめ

多くのRPGやアクション、アドベンチャーゲームにオマケの要素として登場する『釣り』をメインコンテンツに据え、かと言ってただの釣りシミュレーションではなくしっかりとファンタジーの世界観にフィットさせ『釣りで世界を救う』冒険物語として完成させている逸品。

お使い感やミニゲーム感が拭い切れず、広大な世界設定に対してややこじんまりとしたプレイフィールになってしまってはいるものの、釣りバトルに関しては最後まで飽きさせない工夫が見られ、非常に丁寧に作られている。

特に、多くの釣りミニゲームに見られる作業感がほとんど感じられないように作られているのはお見事。多少人は選ぶが中毒性のあるゲーム性に仕上がっており、低価格でここまで楽しめるように調整されているのはすごい。

『川のぬし釣り』などの釣りRPGが好きな人や、様々なゲームの釣りミニゲームに夢中になった経験のある人なら違和感なくすんなりゲームに入り込めるだろう。『釣りのミニゲーム』という要素にピンと来た人はぜひ手に取ってみていただきたい。

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