【Steam】センチメンタルデスループ 感想

センチメンタルデスループ タイトル画面 Steam
タイトル センチメンタルデスループ
プレイした機種 PC Steam
メーカー qreate
満足度 B(やや満足。条件付きでお勧めできる。)
要点
  • シナリオや声優の演技によるヤンデレ表現が秀逸
  • ビジュアル面は満足
  • 探索・謎解き周りのストレス大
  • ゲームデザインに難あり
執筆日 2024年3月23日

 

はじめに

センチメンタルデスループ タイトル画面

steam版を実績コンプまでプレイ。qreateお得意のお色気謎解き脱出アドベンチャー。本作は怪異や異形の存在ではなく、所謂ヤンデレ・メンヘラな普通の女の子から逃げながら探索するホラー風な見下ろし型の探索ゲームとなっている。ループものというかタイムリープものというか、いわゆる死に戻り系のシナリオとなっており、可愛い女子がメンヘラ女子から何度も何度も刺殺されるショッキングな内容になっている。

 

良かった点

qreate作品ということで、ビジュアル面は文句なしの一言。キャラデザや動くイベントスチルの出来は相変わらず素晴らしい。『何が何でもパンツは見せる』という鋼の意思はバカゲーの域に肩まで浸かっている面もあるため苦手な人もいるかもしれないが、筆者はそういうゲームだとわかって購入しているためこの点も好意的に受け止めている。売り?である流血表現についてもSteam版ではしっかりと赤い血で描かれており、そのあたりもこだわりを感じられた。声優の演技も素晴らしい。

個人的には、昨今ヤンデレ・メンヘラがライトに扱われすぎというか、とりあえず地雷系ファッション着せて過激なこと言わせて目のハイライト消しとけばええやろ!みたいななんちゃってヤンデレが多いと感じており、その点このゲームのヤンデレは『一度トチ狂ったら何言っても聞かん感』『隙あらばとりあえず刺す』がよく表現されており、自分の中のヤンデレ観としてはしっかりとヤンデレしていたように感じる。この点は高く評価したい。

『ヤンデレに追われるホラー風ゲーム』という、幽霊や怪異に襲われるオーソドックスなホラーゲームと違った恐怖演出は、このジャンルの新たな可能性を感じさせてくれた。下手をすれば超常的な存在よりも質の悪い存在に対する未知の恐怖を味わうことができる。

 

不満点

大きな問題点と感じるのがエンディング分岐の条件。探索中は探索可能なオブジェクトを調べるたびに内部的な時間が進み、一定時間経過orランダム?でメンヘラ親友が襲撃してきたり、主人公や同行者が過去を語るサブシナリオが発生する仕様になっている。しかしループものであるため、死に戻った場合当然1度入手したアイテムの場所はわかっている。また親切にも1度解いた謎解きギミックは死に戻り後は調べるだけで解除されるようになっているため、一部のキーアイテムやヒントアイテムを再入手する必要が無い。となればメンヘラ少女の襲撃回数を減らすためにも、ループすればするほど探索するべきオブジェクトの数は減っていくことになるのだが、上記したサブシナリオをすべて見ないとすべてのエンディングは見られない。当然ながらストーリーを進めるための最低限の探索程度では全くすべては見られないため、無駄にオブジェクトを調べる回数が増え探索や襲撃回避の作業感が大きく増してしまっている。同メーカーのプリズンプリンセス同様、『プレイヤーがしたいこと』と『ゲーム側がやらせたいこと』がズレてしまっており、レベルデザインが合っていないように感じた。

また、探索時の操作性が低価格であることを加味しても擁護できないレベルで悪い。そもそも斜め見降ろし型の時点で細かい操作に向いていないが、探索ポイントはどれもこれも判定が細かく、また机や棚など1か所にまとまって配置されているせいでとにかく操作しづらい。近い場所に複数の探索ポイントがある場合Xボタンで調べる対象を選択できるが、細かいうえに自キャラの体で隠れてなにを選んでいるのか一目でわかりづらかったり、冷蔵庫だけは謎に冷蔵庫を調べてからさらに上下で調べる段を選択する仕様になっていたりするのもややこしい。

アイテム欄もアイテムの種類が無駄に多いわりにはページ送りがなく、上述した通り1度解いた仕掛けのヒントアイテムや一部キーアイテムは2度目以降不要になるため、ループ後に再入手してしまうと障害物にしかならない。せめてキーアイテム、ヒントアイテム、逃走用アイテムでページ分けされていればよかった。

謎解きの難易度は同社のプリズンプリンセスや廃深と比べるとやや高めではあるが、上記の操作性の悪さであったり、謎解き中にヒントアイテムを確認できない、特定のループにならないと入手できないヒントがあるなどシステム的に体感難易度が上がってしまっているだけ感が否めない。マップの広さに対して自キャラの移動速度が遅すぎるなど、全体的に作りこみは甘い。

qreateの作品は少なからずバカゲーの側面があるとはいえ、本作はシリアス度が高い作品のためさすがにストーリー面の突っ込みどころもやや気になる。そもそも舞台が友人宅というのがまず無理があり、1階はリビングからすべての部屋に通じているし、2回も階段すぐの廊下からすべての部屋にアクセスできる。そんな構造の家で包丁を持った同年代の相手から逃げながら悠長に探索などできるのかという話であり、気になる人はかなり没入感を削がれそうだ。

ただ、ドットで描かれたマップは狭いながらもきれいだし、操作性の悪さの原因になっているとはいえ、値段を考えれば調べられるオブジェクトの密度も十分以上。フルボイスだし、必要性は薄いがアイテム合成などもあることを考えると低価格のゲームとしてはかなり頑張っている作品ではある。

 

まとめ

操作性に難はあるし、タイムリープ+謎解きアドベンチャーが思ったほど良い相乗効果を生んでいないという点をはじめややゲームデザインに問題を抱える作品ではある。が、低価格かつ手軽に遊べるボリュームの中でしっかりとヤンデレ要素を楽しめるし、よくある横スクロールではなく見下ろし型を採用するなどいろいろと挑戦が見られる作品である。qreateのエロカワイイ女の子、ヤンデレやタイムリープという要素に惹かれた人はセールで買って遊んでみてほしい。

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