【Steam】見習い死神シミュレーター 感想

見習い死神シミュレーター タイトル画面 Steam
タイトル 見習い死神シミュレーター
プレイした機種 PC Steam
メーカー Bone Nail
満足度 B(やや満足。条件付きでお勧めできる。)
要点
  • シンプルながらしっかりとした導線で楽しめる
  • 余計な要素が無くテンポが良い、快適
  • シンプルすぎるため人を選ぶ
  • 低価格なりに低品質な部分も目立つ
執筆日 2024年11月18日

 

はじめに

見習い死神シミュレーター タイトル画面

Steamにてエンディングコンプまでプレイ。

インディー開発『Bone Nail』が手掛けるシミュレーションゲーム。

見習い死神となり、様々なイベントを通して期間内に魂を集めていくのが基本的なゲーム内容。

同開発の『Yog-Sothoth’s Yard』という作品のスピンオフとなっており、一部登場人物等が共通している。

  • 『Yog-Sothoth’s Yard』の方は日本語未対応。
  • 筆者も未プレイだが、本作は問題なく遊べた。

 

ゲームの流れ。

  • テキスト形式でイベントが表示される。それに対してどういう行動をするかを2つの選択肢から選ぶ。
    • 選択によって魂の獲得・後述するステータスの増減・アイテム類の獲得など結果が変化する。
    • どのイベントがどのタイミングで発生するかは基本ランダム。
    • 中には続き物のイベントだったり、ストーリー(エンディング分岐)に関わるものも存在する。
    • この選択をひたすら繰り返し、様々な条件で分岐するエンディングのリストを埋めていくのがメインコンテンツとなる。
  • 魂集めには一定の期日が設定されている。基本的には1つのイベントで1年が経過し、20年ごとの期日で決められた量の魂を集める。
    • 魂が足りないとゲームオーバーになるが、様々な要素を引き継いで最初から始めることになる。
    • 期日の日に提出した魂の量もストックされるため、無理に魂を集めなくても周回を重ねれば必ず達成できるようになっている。
    • 1度達成したノルマに関しては、以降そのデータでは無視されるようになる。

各種ステータスについて。

  • プレイヤーである見習い死神には『戦闘力』『精力』『悪値』『信仰』の4つのステータスが設定されている。
    • これらは各イベントの結果により増減し、いずれかのステータスが最大値or最低値になるとゲームオーバーとなる。
    • 死神のシステムに対して肯定的な選択をすると『信仰』が上がる、否定的なら下がるなどある程度傾向があるため予測しながらゲームオーバーにならないよう管理していく必要がある。
    • ステータスの増減を選択前に確認できる、ステータスが最大or最低値になった時1度だけリセットしてくれるアイテムも存在する。
    • ゲームオーバー(エンディング)の判定の他、一部のイベントでは『戦闘力を○○以上、信仰を○○以下にする』といった条件を課されることがある。

レベルアップについて。

  • 魂を一定量提出するごとに見習い死神のレベルが上がり、ポイントを獲得できる。
    • ポイントを『魂獲得量補正』『魂引継ぎ量補正』『各種ステータスの最大値』『各種ステータスの初期値』に割り振ることができる。
    • 割り振りはいつでもリセット可能。

アイテムについて。

  • 選択肢次第で入手できる。『神託』と『アイテム』の2種類存在。
  • 神託は『選択肢の結果による精力の変動を無効化する』『選択の結果に関わらず戦闘力が上がり続ける』『選択肢によるステータスの増減が見えるようになる』『獲得する魂の量が増える』など、各種選択に影響を及ぼす効果を持つ。
    • 大抵は20年の期限付きだが、1部ゲームオーバーになるまで無制限に効果を発揮するものも。
  • アイテムの方は基本的に効果を持たず特定イベントの進行に必要になるものが多いが、中には神託同様にゲーム進行に影響を与えるものが存在する。
    • 『イベントの文章表示がごちゃ混ぜになる』『選択肢の表示がごちゃ混ぜになる』など。
    • イベントの進行に必要なものの内、重要なものはゲームオーバーになっても引き続き所持し続けられるものもある。

衣装について。

  • 『特定のイベントを達成する』『特定のエンディングを見る』など条件を満たすことで、見習い死神の衣装を獲得できる。
    • 衣装はいつでも変更可能。ほとんどの衣装が『頭部(ゲーム内では髪型表記)』と『衣装』に分かれており、別々のものを選択することが出来る。
    • 多くの衣装には追加効果が設定されている。『ゲームスタート時に悪値が上昇する』など。
    • 効果が小さいため基本的にはフレーバー程度で、あまり気にせず好きな衣装を使える。

引継ぎについて。

  • ゲームオーバーになった際には一部の状況を引き継いで初めからスタートする。
    • 魂の累計提出量、レベル、獲得した衣装、各種図鑑の登録状況、一部の連続イベントの進度、ゲームオーバーになっても失われないアイテムなど。

 

良かった点

余計な演出などが皆無で、テンポよく選択を進めていける。

  • ゲームの中核である『選択』をとにかくストレスなく続けていける。
    • 逆に言えば簡素・単純で繰り返しであるため、合わない人には全く合わないだろう。
    • 1周当たりのプレイ時間も長すぎず、適当に選択しているとあっと言う間に数十年経過している。
  • イベントの種類は値段を考えれば十分であると言える。
    • 多すぎないためある程度繰り返しプレイしていると覚えられる。この点もスムーズなプレイに寄与している。
    • ただ、ボリュームに対しては少ない。この辺りは不満点の項で記載。

導線がはっきりしており遊びやすい・楽しさがわかりやすい。

  • 周回で魂の提出量が累積される仕様により、周回を重ねるごとに少しずつ長生きできるようになり、衣装が増え、連続イベントが進行していく。
    • ただ選択肢を選んでいるだけで自然にゲーム性を理解し、楽しさが見えてくる。
    • この単純さでゲームとしての楽しさが成立しているのは見事。

独特な世界観と可愛らしいキャラクターたち。

  • 『Yog-Sothoth’s Yard』から引き継いだ世界観やキャラクターは可愛らしく、シンプルなゲーム内容に花を添えてくれている。
    • 前述のとおり筆者は『Yog-Sothoth’s Yard』を知らないが、問題なく楽しめたしキャラクターは可愛らしいと感じた。
    • 衣装を集めたいという気持ちにもさせてくれる。
    • 残酷な選択肢を選ぶ際の葛藤にも繋がり、ゲーム性に良い影響を与えている。

 

不満点

あまりにもシンプルなゲーム性で人を選ぶ。

  • 多少考えることがあるとは言え、ゲームとしてやっていることは2択の選択をしているだけである。
    • 余計な演出等無いのも良い点だが、全体を通してあまりにシンプルであるため、リッチで複雑・爽快なゲームを求めている人には全く合わない。
    • 体験版がリリースされているため、まずは試してみるのが良いだろう。合わない人には本当に何が楽しいのか全く理解できない可能性がある。

ボリュームに対してイベントの種類が少ない。

  • おそらく通常エンディングであろう、魂を集めきるエンディングを見る程度までプレイしただけでも同じイベントが何度も発生する。
    • 先述した通り値段を考えればこれでも頑張っているほうだが、エンディングコンプまで想定するとかなり少ない。
    • 値段に対してのイベント数は妥当だが、ボリュームが勝っているため相対的にイベント数が少なく感じてしまう。
  • 同じイベントが何度も発生するのは覚えて快適に攻略できるという面では利点だが、ここまで少ないと飽きが早い等悪い面が目立つ。
    • 設定的に仕方ないところがあるが、別々のイベントであっても中身が『殺すか殺さないか』の選択で実質的に同じようなイベントが多いのも難点。

低価格なりに不便さが目立つ。

  • ローカライズは最低限と言った感じで、機械翻訳そのままではなさそうだがやや手を加えた程度で質は低い。
    • 意味は通じるのでプレイに支障はないものの、せっかくの世界観に没入しきれない感はある。
    • この辺りは本編の『Yog-Sothoth’s Yard』が日本語対応していないところから、まだまだ人手やノウハウが無いのだろう。
  • エンディング回収の面で不親切さが目立つ。
    • 続き物のエンディング分岐に関わるイベントを完了しないまま魂を集めきったエンディングを迎えてしまうと、各種イベントの進行状況がリセットされてしまう。
    • いくらテンポよくプレイできるとはいえ、エンディング回収の為にまたやり直すのは少々骨が折れる。
    • リリース当初は自動セーブだったためどうしようもなかったが、記事執筆中にパッチにより手動セーブ機能が追加された。ある程度改善されたと言えるだろう。

 

まとめ

非常にシンプルなゲーム性ながらしっかりとした導線で楽しさを確立しており、低価格のスピンオフ作品とは思えないポテンシャルを秘めた作品。

本編を知らなくても何の問題もなく楽しめ、ついつい時間を忘れてもう一周、あと一周だけ…と遊んでしまう魅力がある。

低価格なりの面も目立つし、シンプルすぎるが故に人を選ぶところはあるが、テキストアドベンチャーやローグライト系のゲームが好きな人なら値段以上の体験ができると思うため、まずは体験版から触ってみてはいかがだろうか。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました